そりゃそうだ。

弐浪目の受験が、筋書き通りに失敗して程なく親と話し合いがあった。
ようはこうだ。「好きな事をしてもいいが、金は出さない。」
そりゃ〜そうだ。そりゃ〜そーだよなー。
親のスネ齧って勘違い野郎に、好きな事していいってだけありがたい。

すぐに始められる仕事、しっかり金をくれる仕事。家から近い所…
参浪目の最初は、仕事探しから始まった。
(弐浪って言うとツッパってる感じだけど、参浪って、なんかやさしいね)
新聞折込で見つけた一日12000円。これがベストかな〜。
とっくにバブルが弾けちゃってるし、12000円は思の字。
20:00〜8:00かぁ。ま、背に腹は変えられんなぁ。
週6日働いて72000円。生活費に10000円引いて62000円。
4月から8月まで働きゃ1240000円。OK、いける。
さっそく面接、即採用。そうして春が始まった。

オレの職場はクリスタルグラス工場。実家の隣駅だった。
クリスタルグラス、やっぱり美術系ねー、ってとんでもない。
薩摩切り子みたいに渋いおじさんがグラス手にキュイーンてなじゃないぜ。
相手はドイツ生まれのでっかい機械。そこにグラスをはめてスイッチオン。
出て来たグラス数個をチェックして、箱詰めして、次の部署にまわす。
それを一度に3台。ちょいと休む暇もねぇ。グラスの詰まった段ボールの
重いこと。ぬれた手でずっとそんな段ボールを弄ってるから、
擦れてそのうち指紋が無くなってた。
若い人も何人かオレの後に入って来たけど、みんな一週間しないでやめてった。
じゃ、一緒に仕事してた人はって、またユニークな経歴ばっかのおじさん達で、
名前が3回かわってる(今のも本名か不明)・住んでるとこが上野、以外不明・
妻子と別れてまでバンドを続けている・多額の借金、一家離散(この人がシフトに
入っている時は、借金取りから確認電話が来るのだが、一応「まだ来てません」)
・社長を、若い頃殺そうとして花瓶で殴ったのだが、死ななかった。会社は
表沙汰にしない代わりにクビに。そのあと職を点々としながら現在にいたる。
(一番仲よくなった、一番年が近い人、っても当時43歳)
そしてリーダー各のホントに不明なおっさん。

最初はみんな、冷たかった。スキンヘッドにひげ面の若造が、出来んのかおい、
みたいな。そうだね、みんなこの仕事で生きるしか無い理由があった。
でも、オレにもこの仕事を辞められない理由がある。
なんとか頑張って続けた。ガラスが融けない様に流れ続ける研削液が肌に合わず
両腕が肘までただれた。

気付いたら、みんなオレの事「うまさん」って呼んでくれてたんだよなぁ…
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画像は「まる(欲しいの。)」モチーフの
「まるシルバーリング」
素材はシルバー925。
ベロだけ鏡面、あとはいぶしをかけてます。
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# by g-mawatari | 2001-01-01 00:05 | 美大受験