戦闘開始。そして暗黒時代に…

浪人して、美術予備校に入学したオレは、まず夏までに上段に上がる決意をした。
まず、基本。いわゆるデッサン力。対象を理解する観察眼と言ったとこですか。
はい、皆無です。勝てません、絶対。
高校で「うまいね〜」なんて言われて調子乗ってた自分が恥ずかしい。

絵具ってのは、色の粉(顔料)と、それを画面にくっ付けるための糊で出来ている。
顔料をニカワでくっ付けりゃ日本画。アラビアゴムで固めりゃ透明水彩。
油で固めりゃ油絵と言うワケです。
で、この油の部分の種類とか調合とか変えてやったりすりゃ、様々な表情を出せる
って事ですね。大雑把に言やぁ。
ハマりましたよ、どっぷりに。正直デッサン力の無い素人の絵なんだけど、
デッサン力だけじゃないから。絵の良さは、なんて。
さんざ色んな素材使って、描き方試行錯誤して、とりあえず人と違うものをと
カマシていった。こうすりゃこんな色が出る。こんな表情になる…
次第にその色、その表情が評価されるようになった。
もっともっとと、どん欲に変わった表情が出せないかと足掻きまくった。
気付いたら、夏前のコンクールで上段に乗った。
アクリル絵具も使った。水彩も使った。インクも、鉛筆も、木炭も、マジックも、
とにかく何でも使った。
筆で描く、手で描く、水に浸ける、火を付ける、貼付ける……
さんざ色んな方法を試した。アトリエで描くのがおっくうになっていた。
狭いし、危ないし。
一日、中二階の廊下で描く様になっていった。水道も近いし便利だった。
もう、まったくモチーフを見る事は無かった。
朝来て、適当に輪郭とって、中二階直行。講評の時、初めてアトリエに戻る。
まだ気付いてなかったなぁ、どんどん自分がからっぽになってってたの。

人間てのは、周りの情報を取り入れて、周りの状況と比較して自分を大きくしていく。
それは絵もいっしょ。モチーフを自分の視点で表現しようとして、工夫したり
苦悩したりして内容を深めて行く。やってなかったんだよ、オレ。一切。
結局、色づくり・表情づくりだけ。表面は変わっても、内容は変わらなかった。
やる事はやり尽くした。もうアイデアが出てこなかった。つまらなくなった。

この年は、一次も受からなかった。そりゃそ〜さ。
出題=モチーフに全く答えてないし。本番でマスターベーション笑、滑稽すぎる。

そして何も気付かぬまま、暗黒二浪時代に突入じゃい。

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画像は2005「欲しいの。」(ギャラリーエス・東京)
展示風景。
反省たっぷり、けど形にしてみなきゃ分からんからなぁ〜。
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by g-mawatari | 2001-01-01 00:07 | 美大受験
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