はじまり。

なにはともあれ、芸大入試当日。
コートのポケットにプラスチック消しゴムと鉛筆2本、受験票を忍ばせて
国技館(大学内じゃ狭すぎて、一次の鉛筆デッサンは国技館で開催)に
いざ出陣…………なんじゃあ!!お前ら!!!
ほかの受験生、みんなナニやら詰め込んだキャリーをごろごろ。
え・鉛筆で描くだけじゃん。何持ってきてんの、みんな…
そう、皆さんこの試験の恐さを知っているのです。
この一次を通らんと、一年間試行錯誤してきた油絵を描かせてくれんのです。
数十本(多い人だと百本超)、数々の消し具、または禁止されてるような
秘密兵器をわんさとたずさえて、戦場入りするのであります。

無知のオレ、手ぶらでお散歩感覚ですわ〜。











……一次、受かってしまいました。
まさにビギナーズ・ラック。おもいっきり振ったら当たっちゃいました。
あるんです、芸大。
ズバリ、合格基準は「作家性」。課題に対して「うまい」じゃなく「いい」絵を
とるんです。この大学。つまりは、素人でもその日たまたま「いい」絵を描けば
通っちゃうんです。

ま、こんなもんだろと無知なオレ。
後日、二次試験で分かりました。絶対受からないって事を…
当時の自分は素人で、つまり目も肥えてないわけで。白黒のデッサンじゃ
絵の善し悪しは分からなかったんですね。
周りの皆さんの、カラーの油絵見て愕然。上手い、上手すぎる!!
オレ程度の「いい」絵なんてぶっ飛ぶくらい、レベルが違う。

晴れてリッパな浪人生になったオレは、やっぱ習わんとなぁと
近所のお絵描き教室に行ってみたわけ。そしたらそこのオバちゃん、
「受験するなら、お茶の水に美術の予備校があるわよ〜。」
愕然とする無知なオレ。そっか〜、これがヤツらの上手さの秘密か〜。

これが池袋の大手美術予備校を越して、お茶の水に通うことになった経緯。
そして地獄の三浪生活の幕開けだった———
d0097296_191517100.jpg

画像は2005「欲しいの。」展(ギャラリーエス・東京)に展示した
「まる(欲しいの。)」
制作年2005、サイズh25×w14×d21cm。
[PR]
by g-mawatari | 2001-01-01 00:09 | 美大受験
<< きっかけ。 油絵。 >>